A…トルマリンは、日本名「電気石」と呼ばれる鉱石で、広辞苑にも「でんきせき」として掲載されています。語源はスリランカのシンハリ語で「灰を引きつける」という意味の「タウマリン」で、原産地ブラジルではポルトガル語で「トルマリーナ」と呼ばれています。
一般的には、宝石トルマリンとして以前から知られ、10月の誕生石として女性からの愛用者が多く、人気の秘密はその多色性にあります。赤・青・黄・緑・紫・茶・黒・透明など、その色合いは実に多彩。とりわけ、外周部がグリーンで中がピンク色のものは、通称「ウォーターメロン」と呼ばれ、まさにスイカのような色目をしています。日本では、ピンクトルマリンがよく知られているようですが、ブラジル産で有名なのはグリーントルマリンで、もっとも高価なのは、空の色をした「パライバ」と呼ばれるものです。透明感があって色目がよく、内包物(インクージョン)が少ないトルマリンは、宝石として貴重とされています。
一方、工業用に使用されているのは、宝石用に向かないもので「ショールトルマリン」「リチアトルマリン」「ドラバイトトルマリン」がほとんどです。最も多く工業用に活用されている「ショールトルマリン」は、黒色で鉄分が多く含まれていて別名「黒トルマリン」「鉄トルマリン」「鉄電気石」などと呼ばれています。
マイナスイオンを発生させるという特性をもつトルマリンは、「電気石」と呼ばれることからもわかるように、微弱の電流をもっています。この微弱電流が、皮膚に刺激を与え、それが神経系統に伝えられて新陳代謝や血液循環を活発にするという効果をもたらします。
また、鉱石として熱エネルギーは、赤外線放射率92.72%という高数値をもち、その波長は人間がもつ遠赤外線の波長と等しい4~14ミクロンです。トルマリンが放射する遠赤外線を商品化したものが数多く出ていますが、防菌効果・保湿効果・温熱治療効果・燃焼効率向上効果・血液の循環促進効果などを引き出したものです。
トルマリンの電気特性は、半永久的です。これらの特性が、私たちの健康向上や美容、さらに環境浄化などさまざまな分野に好影響を及ぼすことが、注目を浴びる主な要因といっていいでしょう。